2021.6.25

 

今年に入って、かの有名な中銀カプセルタワービルが老朽化のため、建て替えを前提にした不動産業者への売却が決定したことが大きな話題となりました。近年、中銀カプセルタワービルに限らず、高度経済成長期からバブル期にかけて建設された多くのマンションが寿命を迎え、建て替え問題に直面しています。

 

マンションの購入を検討する際には、ずっと住み続けられるのか?と不安に感じる人も多いでしょう。

 

この記事ではマンションの寿命や、耐用年数を過ぎたマンションはどうなるのかについて解説していきます。

 

中古マンションの寿命

 

■耐用年数とは?

耐用年数とは、「減価償却資産が利用に耐える年数」のことで、正式には法定耐用年数といいます。よく「住宅が使用に耐えられる年数」のことと勘違いされがちですが、そうではありません。

 

耐用年数は、法人税などを計算するうえで統一した基準で減価償却の計算を行うために法律で規定された年数のことをいい、マンションなど鉄筋コンクリート造の建物は47年、木造は22年、などと決められています。つまり、耐用年数と建物そのものの寿命は直接的には関係ありません。耐用年数を超えても快適に住める建物もありますし、耐用年数に至るまでに老朽化してしまう建物もあります。

 

■マンションの耐用年数は47年

耐用年数は物件の構造によって年数が異なります。マンションは基本的に鉄筋コンクリートで作られているため、耐用年数は47年となっています。一般的な建物の耐用年数は以下のようになっています。

 

木造・合成樹脂造:22年
木骨モルタル造:20年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造:47年
れんが造・石造・ブロック造:38年

 

例えば、鉄筋コンクリート造のマンションを4000万円で購入した場合、減価償却は次のように算出されます。

4700(万円)÷47(耐用年数)=100万円/年

毎年100万円ずつ価値が減っていくことになり、税法上、47年後には資産価値は0になります。

 

■耐用年数を過ぎたマンションはどうなる?

鉄筋コンクリート造のマンションを購入したとして、耐用年数の47年を過ぎたら住めなくなるのではないか?と不安に思う方もいるでしょう。しかし、耐用年数を過ぎたからといって住めなくなるわけでも、建て替えが必要になるわけでもありません。先ほどお伝えしたように、耐用年数と建物そのものの寿命は関係ありません。

 

国土交通省が2013年に発表している資料によるとマンションは平均68年で取り壊されていることがわかっています。このことからマンションの平均寿命は68年となりますが、100年以上の耐久性を備えているマンションもあります。

 

長く住めるかどうかマンションかどうかは「耐用年数」とは別の観点で判断する必要があるのです。

 

■マンションの寿命はどうやって判断するの?

古いマンションの購入を検討する際に「あと何年住めるか」といった点が気になる方がほとんどだと思います。しかし残念ながら明確な答えはありません。なぜなら、マンションの寿命は物件の状態やメンテナンスによって変化するからです。マンションの建築として使われているコンクリートの質や、入居後に適切なメンテナンスを行っているか、地震などの災害に遭ったことがあるかによってマンションの寿命は変わってきます。

 

そのため、古くなったマンションを購入する際には建物の状態を入念にチェックする必要があります。直射日光の当たる壁は劣化が早かったり、海の近くだと塩害が起きたり、地盤が弱いと建物の傾きが起こったりします。あらゆる可能性を考えて判断しましょう。また、建物の状況の他に「修繕計画がきちんと定められているか」「これまで適切に修繕されてきたか」なども把握しておくと良いでしょう。

 

■まとめ

マンションの耐用年数は47年ですが、実際の寿命は建物の状態や立地、管理状況によって変化します。中古マンションを購入する際には、残りの法定耐用年数をそのまま建物の耐久性と捉えないよう注意しましょう。「法定耐用年数を過ぎているから耐久性が心配」「平均寿命を考えると、何もしなくても鉄筋コンクリートのマンションは68年くらいもつ」と考えるのは安易です。耐用年数にとらわれず、様々な観点から判断しましょう。また、購入後は少しでも安全に長く住めるよう、適切な管理を行うことが大切です。